こんにちは。医師部の橋本です。
 私は都内にいたころヨガを少々学んでいたことがあり、その過程でアーユルヴェーダというものに触れる機会がありました。

 アーユルヴェーダ、古代インド語で「生命の科学」という意味で、いわばインドの伝統医学です。

現代では西洋医学(日本には漢方、鍼灸などの東洋医学もありますが)が主流ですが、アーユルヴェーダには病気の予防と個人個人の体質に合わせた健康増進法など、生きていく上でのヒントをまた違った面から教えてくれるものです。例えば、巷では健康に良い!としてココナッツオイルなど特定の食品が流行って皆が買い求めるということがありますが、アーユルヴェーダでは個々の体質によって合うもの、合わないものが存在します。年齢や一日の時間帯や季節などによっても、心身は変化し体質も変わっていくものであり、どのように対処すれば良いかを教えてくれます。

その心身の変化はドーシャと呼ばれるエネルギーにより制御されています。体の3つのエネルギーをトリ・ドーシャといい、ヴァータ(風のエネルギー)・ピッタ(火のエネルギー)・カパ(カファ)(水のエネルギー)に分類されます。それに対し、心を左右する3つの性質のことをトリ・グナといい、サットヴァ(純粋性)・ラジャス(動性)・タマス(惰性)に分類されます。心と体は密接に関係しあい、心の性質が身体の性質を良くしたり、乱したりすると考えられています。そしてそのアンバランスが病気の元になるとされています。古代インド人の宇宙観って、プリミティブなようで、なんとなく感覚的にわかるような気もします。

さて、自分の体質がどのドーシャに該当するのか、気になりますね。インターネットや、アーユルヴェーダ関連の書籍で簡単に調べることができます。沢山の問診項目から点数化し、どのタイプが一番強くでているか、を判定します。身体的な特徴や、行動的特徴から体質を決める、というところがちょっと胡散臭くも感じますが、意外と当たっているようです。2種類が複合した複合体質、というのも存在します。話のネタに、調べられては如何でしょうか。因みに私はヴァータですが、そういえば子供の頃から風に当たったり体を冷やしたりすると具合悪くなるのが常で、小児期からそういう体質だったのだなあと、今になって思ったりします。大学病院に勤務していた頃は、ピッタが強かったような気がします。

心の状態は食物で変わる、という考え方にも何となく共感できる様な気がします。レトルト食品や保存食ばかりを食べていると何となく体が重くなったように感じたり、また、香辛料を取りすぎていると元気はでるものの何となく興奮気味になったり、そういう食事が続いたあとでシンプルな素材そのものの食べ物をとると何となく体がほっとするように感じたことはありませんか?現代日本と古代インドではライフスタイルそのものが全く異なるので、全てをそれに習って生活することは難しくはありますが、自分の体の声を聴きながら、その時々で良い感じがするものを摂る、ということなのかなと思います。純質(サットヴァ)な食べ物は、どの体質の方にとっても勧められる食べ物で、代表例として米、牛乳、ゴマ、ごま油、フルーツ、はちみつなどがあげられます。食事が活力を生むためには、優しい気持ちが込められた食事を、落ち着いた所で、規則的な時間帯に、適量をよく咀嚼してとること、そして食べ合わせに注意すること、が大切だそうです。基本的な事ですが、現代社会では意外とおろそかになりがちなポイントかもしれません。食べ合わせ、も意外と盲点で、例えば牛乳とバナナ・メロンなどのフルーツの相性が悪いとされていたり、卵と牛乳・肉の相性が悪いとされていたり、等々、現代人の食生活においてよくある組み合わせがNGとされているのは少々不思議な気もしますが、例えば鮮度の問題ない食事を摂ったはずなのに何となくお腹の調子が悪いなどの不調を感じたりするときは、実は組み合わせのあまりよくないもの同士だったのかもしれません。食べ合わせ、ドーシャ(体質)と取った方が良い食物・控えた方がよい食物、の詳細に関してはとても奥が深いので、ご興味がありましたら、是非成書をご覧ください。

皆様の心身がこれからもずっと健やかでありますように。Namaste!

医師部 橋本