こんにちは。培養士の中條と申します。今回は、今までとは趣向を変えて、培養士について紹介させて頂きます。
 
皆様から「培養士になるにはどのような資格があるのですか?」「どのような方が培養士として働いているのですか?」とういような質問を受けることがあります。大切な卵子や精子、受精卵を管理しているのは一体どんな人なのだろう?という疑問を皆様一度はお持ちになったことがあるのではないでしょうか。
 
医師が卵子や精子を管理しているクリニックもありますが、多くの施設には、配偶子(精子、卵子)の扱いを専門とするスタッフ、つまり培養士がおります。当院では9名が培養士として働いております。しかし、培養士といっても、培養士になるための国家資格や公的試験がある訳ではありません()。臨床検査技師や農学・畜産系の大学を卒業した者が、不妊治療を行っている施設に培養士として就職するのです。培養士として必要な知識や技術は、学校で得たことより、現場で得ていかなければいけないことが大部分です。そのため、培養士としての知識や技術は、就職したクリニックで働きながら覚えていくのです。また、クリニックによって、技術的なこと、業務内容等が若干異なりますので、そのクリニックごとの方法を覚えなければいけません。
 
と、ここまで読んで、不安を感じる方もいらっしゃるのではないでしょうか。「国家資格や学校で学んだ知識・技術もないのに、自分たちの大切な卵子や精子を扱っている、大丈夫なのか・・・」「クリニックでちゃんと教育しているのだろうか・・・」などなど・・・。
 
当院では、培養士の業務を細かな項目に分けて、「教育カリキュラム」を作成し、項目ごとにテストや、上級培養士のチェックを受けるシステムになっています。トレーニングの記録や、技術のテストは京野院長も確認します。それらに合格しないと、皆様の治療に用いる精子や卵子、受精卵を操作することは出来ないシステムになっています。全ての工程の技術を習得するのに1年半~2年の期間で教育しており、その間、スタッフは必死にトレーニングを行い、確実で的確な知識と技術を身につけます。皆様のご理解とご協力が得られた治療に用いない卵や精子の一部は、このトレーニングの中で大切に使わせて頂いております。
当院では、このような過程を経て、培養士として皆様の大切な精子や卵子、受精卵の管理を行っておりますのでご安心下さい。
 
培養士は皆様とお会いしたり、直接お話したりする機会が少ないので、皆様は、治療中不安に感じることもあるかもしれません。少しでもその不安がなくなればと思い、今回は当院の培養士の教育について紹介致しました。もし、通院中、培養士にお話したいことがございましたら、お気軽にお声をお掛け下さい。培養士が見当たらない場合やわからない場合はお近くのスタッフにお声をお掛け下さい。私達は、今後も皆様に安心して治療を受けて頂くために、またなにより皆様の笑顔のために精進いたします。
 

注1:資格について・・・培養士として1年以上勤め、かつ学会への参加等の条件を満たして、哺乳動物卵子学会や日本臨床エンブリオロジスト学会が開催する試験に合格すると胚培養士として、各学会から認定される制度はあります

注2:教育システムについて・・・新人教育の方法や教育期間はクリニックによって異なります  
 

培養部主任 中條友紀子