京野アートクリニック スタッフブログ

仙台と高輪にある不妊治療専門クリニック「京野アートクリニック」スタッフブログです。一般不妊治療では妊娠が難しい方のために、人工授精、男性不妊治療、体外受精や精巣内精子を使った顕微授精等、高度生殖補助医療の専門クリニックです。

特定不妊治療助成金制度について

特定不妊治療助成金制度とは、不妊治療の経済的負担を軽減するため、高額な費用がかかる配偶者間の不妊治療に要する治療費を一部助成する制度のことです。

特定不妊治療以外によっては妊娠の見込みが無いか、または極めて少ないと医師に判断された法律上の婚姻をしている夫婦。治療期間の初日における妻の年齢が43歳未満である夫婦。夫婦合算の所得ベースが730万円以下の夫婦が申請対象となります。

対象となる治療は体外受精(IVF)及び顕微授精(ICSI)です。自治体によっては、検査やタイミング療法、人工授精(AIH)などの一般不妊治療に対して助成金を出しているところもございます。

助成を受けられるのは、事業自治体において、指定された医療機関を受診されている方のみになります。京野アートクリニック仙台、京野アートクリニック高輪共に指定医療機関となっております。

不妊治療に要した費用に対して、一回の治療につき15万円(初回は30万円、採卵を伴わない凍結胚移植等については7.5万円) (※仙台市は平成30年度より2回目の助成を20万円まで拡充)まで助成されます。
男性の手術も助成金の対象となります。精子を精巣から採取(TESE)または精巣上体から採取(MESA)するための手術を行った場合は、1回の治療につき15万円まで助成されます。

通算助成回数は、初めて治療を受けた際の治療期間の初日における妻の年齢が40歳未満であるときは6回まで、40歳以上43歳未満であるときは3回までです。

助成金についてよくある質問Q&A
Q受診等証明書はいつクリニックに提出すればいいの?
A移植日当日の受付にて受診等証明書をお預かりしております。
移植日に忘れてきてしまっても、その次の妊娠判定日の提出でも問題ございません。

Q申請には料金はいくらかかるの?
A当院では1枚に付き3,600円の料金を徴収しております。
料金の中には郵送料も含まれています。

Q完成までどれくらいの時間がかかるの?
A完成まで1ヶ月ほど時間をいただいています。
完成後は追跡可能なレターパックで患者さまのご自宅まで郵送をしております。

Q領収書を紛失してしまったのだけれど、再発行できる?
A領収書は一切再発行することが出来ません。
確定申告にも領収書が必要になるので、紛失しないように大切に保管をお願い致します。

Q移植できなかったけれども申請できる?
A採卵を行っている方で受精できず、胚の分割停止、変性、多精子受精などの異常受精により治療が中止した場合は申請対象となります。
凍結胚移植を予定していた方で、移植できずに治療中止となった場合は申請対象外となります。

Q申請期限はいつまで?
A申請期限は自治体によって異なりますので、詳しくはお住いの自治体にご確認下さい。
期限を過ぎてしまうと申請できなくなってしまいますので、自治体のルールを守って申請をお願い致します。

※申請期限の例※

東京都、宮城県 治療が終了した日の属する年度の末日まで(4/1~3/31)
神奈川県 治療終了日から60日以内
岩手県 治療終了日から3ヵ月以内   
などです。

この他にも特定不妊治療助成金についてご不明な点があれば、お電話や窓口にて気軽に受付スタッフにお問い合わせくださいませ。




参考・引用文献
不妊に悩む夫婦への支援について
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000047270.html

東京都特定不妊治療費助成の概要

神奈川県不妊に悩む方への特定治療支援事業のお知らせ

不妊に悩む方への特定不妊治療支援事業~不妊に悩む夫婦への支援事業~https://www.pref.miyagi.jp/soshiki/kodomo/hunintiryou.html


不妊に悩む方への特定治療支援事業のお知らせ

仙台受付部 鈴木美菜

卵巣年齢を知ろう

今回のコラムは高輪検査部の朝倉が担当させていただきます。
今回は、「AMH」についてお話したいと思います。

血液検査で測定のできるAMHは「抗ミュラー管ホルモン」というホルモンで、卵巣予備能力つまり卵巣年齢を反映するといわれています。
なぜ卵巣年齢といわれるかというと・・・
女性の卵巣には生まれた時から原始卵胞が備わっています。
原始卵胞はいくつかの過程を経て胞状卵胞になり、毎周期1~2個が排卵まで至ります。
その過程の1つである「前胞状卵胞」の顆粒膜細胞からAMHが分泌されています。
生まれた時には約200万個備わっている原始卵胞ですが、1周期に約1000個ずつ消失してしまいます。
各過程では一定の卵胞が備わっているため、原始卵胞が減って各過程における卵胞が少なくなると、AMHの値も低下してしまいます。
年齢を重ねるにつれてAMHが低下してしまうのは、避けては通れないのです。

AMHで卵巣年齢が分かるとお話してきましたが、AMHは卵胞の個数を表すものであり卵子の質を評価するものではありません。
当院においてもAMH<1.0ng/mlの患者様が多数妊娠されています。
そのため、AMHが低値だから妊娠できないというわけではなく、その値を踏まえてご自身に合った治療方針を考えて、質の良い卵子の獲得を目指します。
しかしAMHの値にも個人差があります。
閉経の時期がみんな異なるように、生まれつき備わっている原始卵胞の数は必ずしも同じというわけではありません。
POF(早発卵巣不全)は40歳未満での無月経をいい、卵巣内の卵胞が枯渇してしまっている状態のため、AMHは非常に低値を示します。

逆にAMHが高値でも良いわけではありません。
AMHが高いということは排卵が上手く出来ておらず、卵巣内に卵胞が溜まってしまっている状態にあります。
これをPCOS(多嚢胞性卵巣)といいます。
上手く排卵できていないということは、月経も不規則であったり来なかったりということになります。

AMHは治療の指標になる大切な検査です。
最後にAMHを測定したのはいつでしょうか?
当院では年に一度の測定を推奨しています。
定期的に自身の卵巣年齢をしっかり把握して、より質の良い卵子を1つでも多く得ることが出来るよう、自分に合った治療方法を進めていきませんか?

(高輪検査部 朝倉)

”乳ガンと妊孕性温存”について

 今回は、”乳ガンと妊孕性温存”について書かせて頂きます。

 日本では女性の乳ガンは増加しており、2011年には女性のガン全体の約20%を占め、胃ガンを抜いて1位になっています。乳ガンは20歳代後半から増加し、50歳代後半でピークを迎えます。特に、40歳代女性では、乳ガンが最も多いといわれています。また、日本の2013年の女性の乳ガン死亡数は約13,000人で、女性のガン死亡全体の約9%を占めており、こちらも年々増加しています。そして、女性の30歳から64歳では、乳ガンが死亡原因のトップとなっています。

 食生活の欧米化や晩婚化などの遺伝因子、晩婚化・少子化等の女性のライフスタイルの変化などが原因として指摘されていますが、その他具体的には、女性ホルモン(エストロゲン)が関係しています。一方で、自己健診の普及になどにより早期発見される例も確かです。

 症状としては、早期の段階では自覚症状に乏しいとされますが、病期の進行とともに症状が現れます。乳ガンが見つかるきっかけとして、マンモグラフィー等による乳ガン検診で指摘される場合や、自分で症状に気付く場合が多いようです。初期症状では、乳房に痛みを伴わないシコリができることが9割で、残りの1割は乳首から血液混じりの分泌液が出る、乳首や乳輪がただれる、といった症状がみられます。ただし、シコリは乳ガン以外の病気でもみられ、約90%が良性とされているので、専門医で診てもらう必要があります。その他の症状として、ガンの進行とともに乳房にえくぼのような凹みができたり、皮膚の赤みや腫れ、熱っぽさ、乳首の陥没、わきの下の腫れ・シコリといった症状もみられるようです。

 乳ガンの治療には、様々な方法があります。手術・化学療法・放射線治療・ホルモン療法が代表的です。それらの選択は専門医との相談が必要です。

 乳ガンに限らずガン全体で言える事ですが、早期発見が適切な治療につながり、病気による命の危険の回避や妊孕性の温存につながります。現代においては、検査・治療の進歩により、以前よりもガンを克服できる可能性が高まっています。しかしながら、妊娠可能年齢にある女性患者においては、治療の影響で卵巣機能が低下し、赤ちゃんを授かれない状況になることがあります。赤ちゃんを授かる可能性を残しながら治療する事が、妊娠を希望する女性にとって重要と考えられます。将来子供を授かる可能性を残す事を「妊孕性温存」といいます。

 現在、女性ガン患者の妊孕性温存治療には、
①卵子を卵巣から取り出し凍結保存する卵子凍結
②取り出した卵子をパートナーの精子と受精させ受精卵を作り凍結保存する受精卵凍結
③卵子を含んだ卵巣組織を摘出し凍結保存する卵巣組織凍結

の3つがあり、当院ではすべて①~③に対応しています。
 最も適した妊孕性温存の方法の選択には、ガンの種類やその進行の程度、治療で選択される薬剤、治療の開始時期、現在の年齢や配偶者の有無等によって決定します。まずは、ガンそのものの治療が大原則ですが、子宮や卵巣等の生殖組織はガン治療によりダメージを受けやすいため、治療開始前から妊孕性温存について考える必要があります。当院では、医師、看護師、カウンセラーの連携により、患者様のサポート体制を整えています。

 定期検診を受けずに、何らかの症状をきっかけに発見される場合には、既に進行ガンとなっている事が少なくありません。早期ガンで見つかると、ガンの治療の選択肢が広がり、治療による身体的・経済的・時間的な負担を減らせる可能性があるため、定期的に検診を受ける事が大切です。乳ガン検診は、自治体で実施されているため、その詳細は、お住まいの自治体に問い合わせてみて下さい。加えて、早期発見に努めるためにはセルフチェックも非常に大切です。セルフチェックを行う時期は、閉経前の方は乳房が柔らかくなる月経終了後1週間~10日の間に、閉経後の方は一定の日にちを決めて、毎月1回行いましょう。

具体的なチェックのポイントと方法は、下記URLをご覧ください。

*乳がんセルフチェック | 乳がんと早期発見 | 乳がんを学ぶ | がんを学ぶ http://ganclass.jp/kind/breast/selfcheck.php

対象年齢外となる20代頃から、月に1度は自分で乳房を見て触って変化を確かめるなど、日頃から自分の身体と向き合い、ガンの早期発見に努めていきましょう。

参考・引用文献
・乳がんと症状 | 乳がんの検査と診断 | 乳がんを学ぶ | がんを学ぶ
http://ganclass.jp/kind/breast/about.php
・乳がん 基礎知識:[国立がん研究センター がん情報サービス 一般の方へ]  https://ganjoho.jp/public/cancer/breast/treatment_option.html
・乳がんとは | ピンクリボンフェスティバル
http://www.pinkribbonfestival.jp/about/
・乳がんの発生と進行 | 乳がんとは | 乳房再建ナビ  
http://nyubo-saiken.com/cancer/02_02.html
・乳がん検診の検査方法|知っておきたいがん検診  https://www.med.or.jp/forest/gankenshin/type/breast/checkup/
・PowerPoint プレゼンテーション –聖マリアンナ医科大学
http://www.marianna-u.ac.jp/hospital/reproduction/dbps_data/_material_/reproduction/hinsei.pdf
・若年がん患者の妊孕性の温存|小児・若年がん長期生存者に対する妊孕性のエビデンスと生殖医療ネットワーク構築に関する研究  
http://www.j-sfp.org/ped/preserve.html
・妊よう性温存療法について|特定非営利活動法人日本がん・生殖医療学会  
http://www.j-sfp.org/ovarian/index.html
・妊孕性温存は 乳がん治療の準備と並行して迅速に行う | 監修●土屋恭子 聖マリアンナ医科大学乳腺・内分泌外科医長  
https://gansupport.jp/article/cancer/breast/breast01/14863.html

(仙台看護部 沼田、高橋) 
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